Band Member
Rod de'Ath ロッド・ディアス Drums
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●ロリー・ギャラガー・バンドの2代目ドラマー ●在籍 1972年6月〜1978年4月 ●1950年6月18日生 ウェールズ 父方の祖父がベルギー系（de Ath） ●1986（1987?）年に駅の階段から転落して頭を強打し片目の視力と両足の自由を失う |
父親がコンサート・ピアニストだった為、幼い頃からピアノを習い優秀な成績を修めていた。父が病気でコンサート・ツアーが出来なくなると母親の故郷である西ウェールズに転居。ロッドは主にそこで育っている。移住後も父は演奏活動を続けるが、ジャズ・バンドのピアニストに転向し、ダンス・ホールなどで演奏をしていた。
父のジャズ・バンドのドラマーが心臓病で急死し、代わりのドラマーをみつけることが出来なかった為、当時15歳のロッドが即席で父からドラムの手ほどきを受け、その夜のステージに出たのが初のドラマー体験。以来ドラマーに転向する。
17歳の時に自動車の運転免許を取得、ロンドンへ出て、音楽で生計を立てることを志す。
キリング・フロア（Killing Floor）というブルース・ロック・バンドの2代目ドラマーとして活動中、自分の住んでいたフラット（アパート）の一室を賃貸しようと思い、広告を出したところ、応募してきたのがロリー・ギャラガー・バンドのジェリー・マカヴォイだった。彼に部屋を貸しつつお互いのバンドのギグを見に行くようになり交流が始まる。
1972年5月、フライト恐怖症もあってアイルランドでのツアーへの同行を拒否したロリー・ギャラガー・バンドのウィルガー・キャンベルの代役を、ギグの当日の朝に依頼され、急遽ヒースロー空港からコーク（アイルランド）へ飛び、車でライブ会場へ向う。開演時間が迫っている中ロリーから受けた指示は「こうやったらはじまって、こうやったらエンディング」という程度のものだったそうだ。それまでに一度も合わせた事はなかったそうだが、キリング・フロアがブルースバンドであったこと、ロリーがいつもよりアコースティック曲を多くやったことなどでどうにか無事に初ライブが終了。このコンサートはアイルランド国内のテレビ・ドキュメンタリーの中でも放送された（ Limerick でのライブ。YouTubeに画質は悪いが短いインタビューとともに収録されたものがいくつかあがっている）。以来数日アイルランドでのツアーを共にするが途中でウィルガーが復帰、イギリスへ帰国する。その後再び急遽ライブを欠席したウィルガーの代役を務めるなどしたが、ウィルガーが正式に脱退したために、ロッドが正式に後任ドラマーとして参加することになる。
暫くの間はトリオ編成で活動していたが、キーボードを入れることを考えていたロリーにロッドがキリング・フロアのピアニスト、ルー・マーティンを紹介する。すぐに気に入り、以来4人編成で活動をするようになり、4枚のスタジオ・アルバムと1枚（2枚組）のライブ盤をリリース。ロリーの全盛期を支えた。78年の脱退まで約6年間であるが、ライブ・ツアーの多さや密度はこの時期が最も濃く、日本へも74年75年77年とこのメンバーで来ている。
両手利きである利点を生かした手数の多いドラミングが特徴的だが、アルバム「コーリング・カード」をプロデュースしたロジャー・グローヴァーから「無駄なショットが多すぎる」と指摘され、レコーディング中に苦労して直したらしい。それ故このアルバムでは曲によって少々硬さが目立つが、77年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブなどを見るとまた元に戻って生き生きと演奏している。ロリーのギターのリフに合わせて様々なリズム・パターンを組み合わせたドラムを叩き、時にロリーを挑発するようなフレーズでお互いを刺激し合う等、この時期のライブではロリーとロッドのせめぎ合いのようなものも見所の一つ。それ故この頃のライブはインプロビゼーションが多く一つ一つの曲が長い。
77年にそれまで使っていたドラムから「AUTO TUNE」というドラム・セットに変えたところ、ただでさえ音量の大きなドラマーだったのが更に音が大きくなり、パランスの関係上、ロリーの背後にセットされていたドラムはステージ向かって右側にセッティングされるようになった。
長年のツアー生活で信頼関係はがっちり築いたが、同時に様々な確執も生まれたようで、77年暮にサンフランシスコでレコーディングしたアルバムをロリーがボツにしてしまったことなどへの不満もあってか、段々と関係が悪くなってくる。ロリーがバンドの雰囲気を変えようと考えていた時期とロッドとルーとが元キリング・フロアのメンバーと共に新しいバンドを組もうと考えていた時期とが重なったこともあり、78年4月をもって脱退。ラムロッド（Ramrod）を結成する。
ラムロッドはアイルランドやロンドンでギグを行うが、パンク隆盛の時代ということもあり思うような成功には到らず解散。その後もルーと共にチャック・ベリーのサポートをするなどの活躍をしていたようだが、86年（87年？）に駅の階段から転落し、頭を強打。記憶障害と片目の視力、両足の自由を失うという重症を負い、一時は死亡説まで流れた。
1995年のロリーの葬儀には顔を見せなかったが、その後ロンドンで行われた追悼会に杖を付いて出席。あまりにも変わり果てた姿に誰もが目を疑ったようだが、記憶障害の方は回復してきていたらしい。現在は車椅子生活ながら穏やかに暮らしているようだ。
参加アルバム
●Rory Gallagher●1973 「Blueprint」
1973 「Tattoo」
1974 「Irish Tour」
1975 「Against The Grain」
1976 「Calling Card」
「BBC Sessions」 Disc-1 01〜09 Disc-2 01,02,04,07,08,09,10,12
「Wheels Within Wheels」 04（「Lonsome Highway」）
「Live at Montreux」01 〜 05
DVD 「The Old Grey Whistle Test （vol.1）」 06「Hands Off」
DVD 「Irish Tour 1974」
DVD 「THE COMPLETE ROCKPALAST COLLECTION」 Disc-1 1976年、1977年
DVD 「Live at Montreux」
Disc-1 1975年、1977年 Disc-2 1977年「Going To My Hometown」
●Killing Floor●
ロリー・ギャラガー・バンド加入前に在籍していたバンドだが、当時リリースされていた2枚のアルバムおよび、近年再結成されてからリリースされたアルバムのいずれにもロッドは参加していない。