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ベスト盤CDガイド　

もちろん、オリジナル・リリースの14枚を全部買って聴くのが一番良いけれど、最初にとっかかりとして「ちょっと聴いてみたい」という時に便利なのがベスト盤のCD。それらを聴いて気に入った曲があったらその曲の入っているアルバムを購入して聴いてみる．．．というのは順当な流れかなと思うので、現在入手可能（中古・新品等で）ベスト盤CDについてまとめてみた。

選曲・曲順については様々なレビューでいろいろな意見が出ていると思うけれども、そもそもシングル・ヒットというものがない人なので、所謂ベスト盤の選曲は非常に難しく、それぞれの思い入れのある時期や度合いによって選びたい曲が違うのだ、ということは念頭においてもらいたい。曲順についても、ライヴの定番曲以外にもいい曲がたくさんあるので、ライヴの曲順に合わせて．．というわけにも行かないのである。

最新版から順に古いほうへ．．．。古いものには既に廃盤になっているものもあるが、中古屋やオークションで入手できることもあるので掲載した。ベスト盤のLPについては別にページがあるので、そちらを参考に（ただし、日本盤のみ）。

各盤の収録曲などについては、ジャケット画像クリックで該当ページへ。

Crest of a Wave : The Best of Rory Gallagher (2009)

米国Eagle Recordsよりリリースの最新ベスト盤。2枚組。 ロリーのソロ時代の曲からスタジオ・レコーディングされたものだけ編纂されている。ロック、ブルース、フォーク、ジャズと、ロリーの幅広い音楽的嗜好を反映した選曲。未発表バージョンの「Overnight Bag」も収録されている。

The Essential : Rory Gallagher (2008)

2枚組。ベスト盤の中ではイチオシ。 ロリーのソロ時代の曲がほぼ満遍なく収録されている（「JINX」からの曲だけが何故か入っていない）。ライヴの定番曲からスタジオ盤ならではの曲まで収録されており、今のところ最もバランスのとれたベスト盤と言えると思う。 解説等はそれほど詳しく入っていない。

Big Guns - The Very Best Of Rory Gallagher (2005)

2枚組、SACDとのハイブリッド盤。もちろん通常のCDとしても聴ける。 ロリーのソロ時代の曲だけでなく、テイスト時代のものも数曲収録されている他、オリジナル盤未収録のライヴ音源が2曲入っているのも特徴。また、付属ブックレットが非常に充実しているので、資料的にも満足できる。 ただし、リミックスにより通常のオリジナル盤音源と多少ニュアンスの変ってしまった曲がいくつかあるので、このCDに慣れてしまうとオリジナル盤を聴いた時に違和感を感じるかもしれない（オリジナル盤を聴き込んだ人には逆にこのミックスに違和感を感じると思う）。また、CD面の音質が少々キツい感じがして耳障りな部分がある（これは個人差あり）。SACD面についても、「素晴らしい臨場感！」と評す人と「『立体感』が人工的過ぎる．．．」と嘆く人の両方がいるなど、ミックスや音質について極端に賛否が分かれるCDなので積極的にはお薦めしない。中古で安く出ていたら買いかも。 初回限定のディジパック盤と、通常のジュエルケース盤とがアリ。 2009年6月15日に輸入盤の1CDバージョンが発売になった。こちらは通常のオーディオCD。 また、2009年7月22日に、日本盤でBlu-spec CD仕様というのもリリースとなった。

Etched in Blue　（ベスト・オブ・ロリー・ギャラガー）(1998)

1998年からの一連のリマスター・シリーズ発表時に出たベスト盤。1枚もの。 オリジナル・アルバム14枚から1曲ずつ選曲されているのと、様々なタイプの曲（ハードロック、ブルース、フォーク系、ジャズ系．．．）を意識的に選んでいるようで、ロリーのいろいろな側面を垣間見る事ができる。 ただ、所謂有名曲が抜けていて華やかさに欠けるため、初めて耳にするベスト盤としては少々不足があるかもしれない。 全てリマスター音源。

A Blue Day for the Blues (1995)

米国で出たベスト盤。1枚もの。 リマスター・リイシューが始まる前のベスト盤なので、「Deuce」「Photo-finish」あたりのCDになっていなかったアルバムからの曲が入っていない。また、晩年作からの選曲が多く、全体的に渋い印象。

Edged in Blue　（エッジド・イン・ブルー）(1992)

ロリー存命中に発売されたコンピレーション盤CD。1枚もの。LPもあったらしい。 「ロリーのブルース・アルバム」というのが企画の意図だったそうで、選曲もロリー自らが行なっている。それ故選曲が非常に渋い。ベスト盤として耳にするよりも、「ロリー・ギャラガーのブルース解釈」を理解する為に聴く方がいいのかもしれない。当時の所謂ブルース・ブームに対するロリーからの回答といったところ。