TASTE （テイスト）
1969- CD -
(polydor: 840600-2, 1992) (Universal: UICY-93972, 2009 紙ジャケ 解説：赤岩和美)|
01) Blister On The Moon 02) Leaving Blues 03) Sugar Mama 04) Hail 05) Born On The Wrong Side Of Time 06) Dual Carriageway Pain 07) Same Old Story 08) Catfish 09) I'm Moving On |
（3`26） （4`15） （7`14） （2`35） （4`00） （3`13） （3`32） （8`04） （2`29） |
（Ledbetter） （Trad. arr Gallagher) （Trad. arr Gallagher） （H. Snow） |
|
Rory Gallagher: Guitar, Vocals
Richard McCracken: Bass Guitar
John Wilson: Drums
Produced by Tony Colton
1969年リリースのテイストのファーストアルバム。
収録されているロリー自作の曲はR&B／ブリティッシュー・ビート系のものが多く、初期のテイストがそういう音楽傾向をもっていたバンドであったことが窺える。しかし、ライブなどでの定番「なまず」「シュガー・ママ」のような重いスロー・ブルース曲もあることや、マネージメントがクリームと同じロバート・スティグウッドの事務所であったこと等からクリームの後継者的ブルース・ロック・バンドとして扱われることが多かった。ハンク・スノウのカバー曲やアコースティックな「ヘイル」等の曲もあり、この当時から広い音楽性をアピールしていたようなのだが．．。
◆ Blister On The Moon 月のクレーター
出だしのハードなギター・リフと早口言葉のような歌詞が印象的なR&B調の曲。ボーカルは比較的軽めなのだがギターの音はかなりトンガっている。◆ Leaving Blues 別れのブルース
レッドベリーのカバー。ミドルテンポで切々と歌う。控えめな感じの演奏だが、スライドギターが良い。ドラムとベースとギターとが一体となって畳み掛けるようなエンディングもまた聴きもの。◆ Sugar Mama シュガー・ママ
古いブルースのカバー。「なまず」と並んでテイストのライブでの定番曲。こちらもやはりどろどろと重い雰囲気で演奏されることが多かった。◆ Hail ヘイル
生ギター一本で歌われるブルース。ギターのフレーズが少しトラッド〜フォーク系の雰囲気。歌の方はトーキング調でメロディより歌詞を聞かせるような感じ。◆ Born On The Wrong Side Of Time 死神のブルース
ハードなギターとテンポの良いリズム隊の音をバックに叩きつけるような歌が乗る曲だが、途中スローダウンしてささやくような歌に変わる。そしてまた最初のテンポに戻り．．と起伏のある曲。最後はフェイドアウト。◆ Dual Carriageway Pain キャリッジウェイ・ペイン
ヤードバーズ・タイプの軽快なR&B。テイスト初期からの持ち歌。リズムとギターのリフとが楽しい曲。◆ Same Old Story いつもの話
1975年リリースのダウンタウン・ブギウギバンドの名曲「港のヨーコ ヨコハマ・ヨコスカ」のリフがこれとまるで同じ。歌声が若い。後半、ギターと歌がユニゾンするところが楽しい。エンディングの素っ気無さもたまらなく好き。◆ Catfish なまず
他に「LIVE TASTE」と「ワイト島」にも収録されているのでお判りのように、ライブでの定番曲。マディ・ウォーターズの演奏で有名らしいが、何処の誰よりもテイストはこの曲をドロドロとヘヴィに演奏している。タイトルも「キャットフィッシュ」というより「なまず」という方がぴったり、な曲。リチャードのどぼん・どぼん鳴るベースの音が効いている、スローテンポのヘヴィ・ブルーズ。◆ I'm Moving On アイム・ムーヴィング・オン
ハンク・スノゥのカントリー・ソングのカバー。ロリーの趣味か。軽快にスウィングした演奏。ギターもスライドを交えた軽快な音。ジョンの軽めのドラミングも良い。この人はこういう曲で良い味が出る。- LP -
※日本盤LPは2種出ており、ジャケットがちょっと違うので先に曲目を．．
| - side A - | - side B - |
| 1 月のクレーター | 1 キャリッジウェイ・ペイン |
| Blister On The Moon | Dual Carriageway Pain |
| 2 別れのブルース | 2 いつもの話 |
| Leaving Blues | Same Old Story |
| 3 シュガー・ママ | 3 なまず |
| Sugar Mama | Catfish |
| 4 ヘイル | 4 アイム・ムーヴィング・オン |
| Hail | I'm Moving On |
| 5 死神のブルース | |
| Born On The Wrong Side Of Time |
日本グラモフォン（ポリドールレコード） MP 1473 1970年3月リリース
TASTE （ファースト・オブ・テイスト）
 |
 |
 |
最大の特徴はジャケット裏面に解説と歌詞が書いてあるということ。古いレコードにはこういうパターンのものが時々あった。
さらに重要なのは色の濃さで、他の輸入物LPや後にポリドール・ジャパンから出た日本盤よりもオレンジ色が濃く、迫力が増している。そして「TASTE」の文字の色。オリジナルはライトグリーンだが、この盤だけはオレンジ色。
1750円という値段が印刷してある。
ポリドール・レコード MP 2350 1974年2月21日 再発盤
TASTE （テイスト I （ロリー・ギャラガー））
 |
 |
こちらの盤も実はちょっと通常のものと違って、レイアトウトが大きめ。下の画像は左から「グラモフォン盤」「日本ポリドール盤（これ）」「ドイツ廉価盤」なのだが、ロリーのあごの位置を見るとわかるようにやや拡大されてプリントされている。従って「TASTE」の文字も若干大きめ。
あと、地の色が他のものがやや緑がかっているのに対してこの盤だけがごげ茶っぽいのは気のせいか？？
邦題は「テイスト I （ロリー・ギャラガー）」となっており、ロリーがソロになってから人気が出たのに便乗して再発されたということが良く解る。ちなみにこちらの販売価格は2300円。ほんの5年でずいぶんレコードの値段が上がったようだ。
．．沢山並ぶと暑苦しい．．