アコースティック、エレキ合わせて4本のギター、そしてマンドリン、ハーモニカを自在に操ったこの日の舞台は、久々に充実したロック・コンサートであった。

　アイルランド生まれのロック・ギタリスト、ロリー・ギャラガーが1月26日から、ちょうど1年ぶりに2度目の来日公演を行う。
　昨年来日したロック・ミュージシャンの中でも、エリック・クラプトンと並んで講評を博したのがこのロリー・ギャラガー。キング・クリムゾンやハンブル・パイのデビューと同じ1969年に「テイスト」を結成、本格的に音楽活動を開始した。'71年にソロ活動に転じてからも一貫してブルースを追求。特に高度なギター・テクニックを駆使した、素朴だが情熱的なステージは圧倒的な迫力に富んでいる。愛用のギター。ストラトキャスターを手にしたギャラガーの去年を上回るプレイを期待したい。

　ロリー・ギャラガーがちょうど1年ぶりに再度来日した。昨年の日本公演はファンから最大級の賛辞を受け、 それほどでもなかったギャラガーの人気と評価を大きく変えた。そのためか1月26日午後、東京・渋谷公会堂で 開かれた初日のコンサートは、開演前から強烈な熱気と興奮に包まれていた。

ブルースをひたすらに追いかけるロリー・ギャラガー。来年もまた来日する予定。
（撮影・太田威重）

●ロリー・ギャラガー、カジノでもめる
　アイルランド出身のロック・ギタリスト、ロリー・ギャラガーの一行がタスマニア公演の際、遊びに立ち寄ったカジノから追い出されるという "事件" があった。
　ギャラガーらは公演のはねたあと、ジーンズにコートというロック界の "公式ウエア" でカジノに出かけたが、服装がふさわしくないとの理由でカジノ側ともんちゃくを起こした。結局ギャラガー側がカジノから退散したが、その間、ギャラガーはカジノ支配人から「この鼻持ちならないチビ野郎」などの悪態をさんざん浴びたという。
　ギャラガーは「公演旅行をはじめて15日になるが、こんな気分の悪いことは初めてだ」と、予定より早くタスマニア島を出発した。
　しかし今回のオーストラリア公演で。ギャラガーは大人気を博し、数ヶ月前に当地で発売され、その時は全く無視されたシングル「フィルビー」ががぜん売れ始めて、ラジオ局にもリクエストが殺到しているという。