Phil Coulter "Word & Music"
1989 （Shanachie 53008 1995）|
01 Spancil Hill (Trad. Arr:Phil Coulter) 02 Steal Away (Phil Coulter) 03 Red Red Rose / Bonny Mary (Trad. Arr:Phil Coulter) 04 Take Me Home (Phil Coulter) 05 John O'Dreams (Tchaikocsky/ Arr:Phil Coulter) 06 The Old Man (Phil Coulter) 07 Will Ye Go Lassie Go ? (Francis McPeake/ Arr: Phil Coulter) 08 The West's Awake (Trad. Arr: Phil Coulter) 09 I Loved The Ground (Phil Coulter / Ralph McTell) 10 The Nightingale / Galway Ahawl (Trad. Arr: Phil Coulter) 11 Scorn Not His Simplicity (Phil Coulter) 12 Beautiful Dreamer (Trad. Arr: Phil Coulter) 13 Home From The Sea (Phil Coulter) 14 The Streets Of London (Ralph McTell) 15 The Town I Loves So Well (Phil Coulter) |
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フィル・コウルターは北アイルランド生まれの作曲家でピアニストでプロデューサー。ピアニストとしてはヴァン・モリソンあたりとも仕事をしているらしいが、彼が最も華やかだったのは60-70年代にビル・マーチン（Bill Martin）とコンビを組んで作曲家として数々のヒット曲を世に生み出した頃なのだそうだ。日本人にも馴染みのあるところで言えばあのベイ・シティ・ローラーズの「サタデイ・ナイト」あたり。プロデュースもコウルターがしたらしい。その後80年代になって、アイルランドのトラッド曲への思いが強くなり、ロンドンからダブリンへ活動の拠点を移し、ダブリナーズ（The Dubliners）のレコーディング・プロデュースをしたりもしている。
このアルバムはそのコウルターが自らの音楽生活25年を振り返ってつくりあげた「音のスクラップ・ブック」だと述べている。収録曲の多くはトラディショナルな曲で、ロリーが参加している「Will Ye Go Lassie Go ?」は1957年に最初のレコーディングがなされたフォークソング（別名「The Wild Mountain Thyme」「Purple Heather」。歌詞はスコットランドの詩人がつけたものなのだそうだが、ここに収録されているこの曲には歌は入っていない）。比較的イージー・リスニング系のアレンジが施された曲が多いが、ロリーのほかにもダブリナーズの面々などがゲスト参加していたりして彩り鮮やかなアルバムになっている。
「Will Ye Go Lassie Go ?」
インスト曲。ロリーのアコースティック・ギターによる単旋律のメロディが響き、それにコウルターのピアノが乗る。続いてエレキ・ギターによってメロディが奏でられ、ストリングスなどが控えめに色を添える。ロリーは決して派手なことはせず、ただその主旋律を丁寧にギターで奏でるだけなのだが（多少の装飾はあるけれど）、これが実に表情豊かな音でそれに驚かされる。ロックやブルースのアルバム、あるいはフォーク系のミュージシャンとの共演でも聴いた事のないようなスタイルでの演奏。トーンの変化だけでこんなにも表情豊かになるものかと ため息が出る。美しい。スリーブ・ノートより
「これは私がはじめて習った歌のひとつであるが、この曲をロリー・ギャラガーのような伝説的ギター・ヒーローを主にしたバージョンでレコーディングする日が来るなどとは思ってもみなかった。彼のスタイルやテクニックは世界的に有名ではあるが、このトラックでの彼のアコースティックとエレクトリック・ギターの両方のプレーの感性には賞賛の声をあげずにいられない。」