Meeting With The G-MAN +（ミーティング・ウィズ・ザ・Ｇマン）
2003 （BMG BVCM-31112） ブートレグ・シリーズ ライヴ盤|
01 Continantal OP （6:53） 02 Moonchild （5:57） 03 Mean Disposition （9:03） 04 The Loop （5:45） （featuring "Resurrection Shuffle" & "Jailhouse Rock"） 05 Don't Start Me Talkin' (featuring "Revolution") （7:07） 06 She Moved Through The Fair （1:07） 07 Out On The Western Plain （3:58） 08 William Of Green （1:36） 09 Mercy River （2:18） 10 Walking Blues （5:01） 11 Don't Think Twice It's Alright （2:35） 12 Ghost Blues （7:14） 13 Messin' With The Kid （6:52） 14 La Bamba （5:12） |
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20th December 1993 at Paradiso, Amsterdam, Holland
Rory Gallagher : Vocals Guitar
Richard Newman : Drums
David Levy : Bass
Jim Leverton : Keyboards
Mark Feltham : Harmonica
オフィシャル・ブートレグ。Boxセット「Let's Go To Work」に付いていたものにアコースティック・セット6曲（トラック06〜11）をプラスして単独CDとしてリリースされたもの。オマケCD目当てでボックスセットを購入した人は、またこの単独CDを購入する羽目になり．．．。
とはいえ、まとまった形でジェリー・マカヴォイ脱退後の新ラインナップによる演奏を聴く機会が殆ど無かったわけなので、そういう意味でもありがたい一枚ではある。音質は所詮ブートレグなので、かなり悪い。バランスとかそういうものは何も考えられていない。それでも出来得る限りのマスタリング処理は施されたのだそうだ。けれど「されどブート」の良さも残っていて、ライブの臨場感や場の空気は良く伝わってくる。特にアコースティック・セットでの観客の反応は、その場にいるような気分になれる（観客席で録音されたものだからなおさらだ）。
演奏の方は案外ロリーも元気で、やや飛ばしすぎ？？というくらいの声で歌っている。エレキ・セットでは特にドラムのリチャード・ニューマンが良く、若い力でロリーの良さを引き出している。テッド・マッケンナ以上にロック・ドラマー的なので、「Moonchild」のような曲がハマる。キーボードのジム・レバートンは、94年のライブ（モントルー等）にはもう出ていないので、これでだけ演奏が聴けるのだが「The Loop」でのピアノによるアドリブ演奏等で良い味を出している。
新バンドによる新しい展開のようなものも少し顔を見てはじめていて、晩年期の定番曲「The Loop」に「監獄ロック」などを混ぜたり、ビートルズの「レヴォリューション」を入れたり最後に「ラ・バンバ」を演奏したりと、選曲もなにやらそれまでとは違ってより自由で楽しい雰囲気になっている。遊びでやってみたのかと思われた「La Bamba」だが、間奏のギターなどはお見事としか言いようがなく、その後翌年のライブでも定番のようにレパートリーに取り入れている。合間の掛け声「HA HA HA HA」もハマリすぎ。
ロリーの本領発揮はこの時期はやはりアコースティック・セット。定番「Western Plain」は普段より早いテンポで観客も一緒になって歌っているがギターの音色の美しさといったらない。ロリー自作の曲だという「William Green」は跳ねたリズムのアイリッシュ・ナンバーのインスト。「Mercy River」ではマークのハモニカに合わせて歌い、「amazing grace」に続いての「walking blues」もモントルーの時とは全くアレンジが違う。ボブ・ディランのカバーはうんと軽い感じに歌いあげ、気持ち良さそうだ。
おそらくそんなに会場は広くないんだろうが、ロリーがとてもリラックスした雰囲気で演奏しているなかなか良いライブ。若い頃の作品ばかり耳にしていていきなりこれを聴くと、かなり渋くなったその声に拒否反応を示すかもしれないが、「JINX」以降のアルバムを聴いたり「コーク・オペラ・ハウス」のDVDを見たりして晩年期のロリーの声に慣れて来たら、是非このライブも聴いて欲しい。
BURRN ! の広瀬和生氏とライターで写真家で晩年期のロリーの親友でもあった富岡秀次氏のライナー・ノーツ、歌詞・訳詞がついている。富岡氏の文章には新ラインナップについてのあれこれも書かれているので何かと参考になる。